9. ピアノの連弾について (About piano duet)

左の楽譜はモーツァルトの有名なソナタを後年グリークが北欧風なイメージで2台のピアノに編曲したものです。この仲間はたくさんあってまだレコードの登場していない、しかも一般の大衆にも大作曲家の作品が触れることの可能になった19世紀後半という時代にあって楽譜が売れるもんですから出版社はこぞって作曲家にアレンジを依頼するようになり一台のピアノでの4手連弾にとどまらず、2台のピアノによる大規模なアレンジも登場したのです。

 

左の楽譜は上に掲げたドビュッシーの弦楽四重奏曲のピアノのためにアレンジされた4手連弾譜です。左の肩にはっきり見えませんがアレンジした人の名前があります。

20世紀になってもかろうじて連弾譜は出版されていましたが、ソロ・ピアノの華麗な表現に彩られた演奏が主流になりレコード等のメディアが登場すると人々は自分たちで演奏しなくても作品に触れることができるようになり教育関係の楽譜を除いて急速に少なくなっていったのです。

でも、手軽に名曲を自分たちで経験できる連弾はこれからは復活していくような気がします。みなさんもいろいろな名曲を楽しんでみたらいかがでしょう。